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おすすめ科学玩具”スターリングエンジンキット”は大人もはまる

ずっと欲しいと思っていた「スターリングエンジン キット」を購入しました!

知育玩具や科学玩具に分類されていますが、その不思議な動作とオブジェのようなデザインは大人でもはまります。

もちろん、子供の想像力をかき立てる知育玩具、科学玩具としてもおすすめです。

今回は、このスターチングエンジンキットについての話です。

目次

スターリングエンジンキット

スターリングエンジンというのは、一種のエンジンの総称ですが、ここでは、小型、低温で家庭で楽しめるスターリングエンジンキットを紹介します。

買ったのはこれ!

金属光沢満載で、ちょっと恰好いいと思いませんか?

スターリングエンジンはどう動くの?

このスターリングエンジンの動き、どんなものか動画を見て頂くのが一番速いでしょう。

下の動画は、お湯を入れたマグカップの上にスターリングエンジンを置いたものです。


最初に軽く手で回すと、どんどんスピードを上げて回転していきます。

これが、スターリングエンジンの動きです。

上に氷を置いてみる

スターリングエンジンキットの上に氷を直接置いてみました。

スターリングエンジン氷

写真ですが、同じように回転していることがわかります。

下を温めるだけでなく、上を冷やすことでも回転するのです。

温めたエネルギーを使うというのではなく、上下で温度差があれば回転するということです。

お湯の変わりに氷水を入れてみる

氷水を入れたグラスの上にスターリングエンジンを置いたらどうなるでしょうか?

今までは下の方が暖かかったのですが、今度は逆に下を冷やすのです。

スターリングエンジン冷却

それでも回転しました。

でも写真ではわかりにくいですが、回転方向は今までと逆になってます。

温度差で動く

ここまでの動作で、どんなときにスターリングエンジンが回るのか大体わかったと思います。

上と下で温度が違う時に回転する

そして、下の方が高温の場合と、上の方が高温の場合では、回転方向が逆になるのです。

また温度差が大きいほど、回転が速く力強くなります。

ここがポイントです。

温度差によって動力を得る

実は、蒸気機関もガソリンエンジンも発電機のタービンも、熱を動力に変える装置は、全て温度差を利用しています。

そのことが直感的に理解できる、これがスターリングエンジンの素晴らしいところです。

※熱力学の入門は、これで遊んでみるといいかもしれません。

スターリングエンジンの仕組み

スターリングエンジンの仕組みを簡単に説明してみます。

下の図のように、スターリングエンジンには、ピストンとディスプレーサ―と呼ばれるものが組み込まれています。

ディスプレーサ―は、横に隙間があり、上下に移動させても空気が移動できるようになっています。

ここで、下が暖かく、上が冷たいとしましょう。

ディスプレーサーの下の空気は温められ、上の空気は冷たいはずです。

スターリングエンジン

ここで、ディスプレーサ―を動かしてみましょう。

まず、ディスプレーサ―を上にあげると、温まる空気が増えます。

空気が温まると体積が増えるので、その圧力でピストンを押し上げます。

逆にディスプレーサ―を下におろすと、空気はディスプレーサ―の上の冷たい部分で冷えます。

すると空気の体積が減って、ピストンは下に下がります。

このように、高温部と低温部があるとき、高温部に接する気体と低温部に接する気体の割合を変化させることで、ピストンを動かすシステムを「スターリングエンジン」と呼びます。

スターリングエンジンキットの仕組み

スターリングエンジンキットは、ピストンとディスプレーサ―をクランクを使って大きな円盤(フライホイール)につなげています。

スターリングエンジンキット

ピストンの上下によって円盤を回転させ、その回転に応じてディスプレーサ―の位置が調整されるようになっています。

このとき、ディスプレーサ―の方がピストンのより先に動くようクランクの角度を変えて調整しています。

こんな単純な仕組みで、温度差で動く機構を作り出しているのです。

買ったモデル

自分が買ったのは、Yosooのスターリングエンジンキット。

温冷両用(温めるだけでなく冷やしても使える)が必須で、見た目が良くて価格がそこそこ(自分が買ったときは¥4,399でした)。

温度差が20℃以上で回転するので、気温が20℃以上なら氷の実験ができるのも魅力でした。

※実際には20℃差はかなり厳しいです。

説明書は英語ですが、使い方は温度を変えた状態にセットしてしばらくして手で軽く回す、これだけなので問題ないでしょう。

スターリングエンジンの由来

スターリングエンジンの仕組みは ”ロバート・スターリング” が200年以上も前に考え出したものです。

当時利用されていた蒸気機関より安全で効率がよいと期待されていたのですが、結局実用化まで至りませんでした。

その後も何度か実用化を目指した研究が行われたのですが、日の目を見ることはなかったのです。

でも、今またスターリングエンジンの研究は活発になってきています。

エネルギー問題から、スターリングエンジンの効率の良さが見直されているのです。

「スターリングエンジンはなぜ効率がいいのか?」

「他のエンジンに比べてどんな特徴があるのか?」

「欠点は何なのか?」

まだまだ興味は尽きませんが、またの機会に別記事で説明することにしましょう。

語りたいことが山ほどあるので、上手くまとめられるか不安ですが。

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