地球は24時間で1回転していると思っていませんか?
それは、正確に言えば間違いです。
このブログ内でも何度か地球の自転速度の話をして、自転が24時間と受け取れるような記載もあります。
ただ、一応は気にかけて書いているので、はっきりと「24時間で一回転する」というような書き方をしていない(はず)つもりです(そう書くと簡単なのに、回りくどい説明になるのがつらい)。
難しいことではなく、単純な話なのでさくっと説明してみましょう。
地球の自転周期と24時間とのずれはどの程度なのか
今回話すのは「地球の自転速度は変化している」とか「誤差がある」とかいうことではありません。
そのあたりは話は別記事で説明していますが、1日に数ミリ秒(1000分の1秒)というわずかなものです。
≫≫うるう秒って何? 次回はいつ? 時間にまつわる不思議な話
今回話すのはもっと本質的なことで、24時間との差ももっと大きいのです。
地球の自転周期は23時間56分4秒?
地球の自転周期つまり地球が一回転するのにかかる時間は、約23時間56分4秒です。
24時間に比べると4分程度短いのです。
地球の自転のばらつきの数ミリ秒(1秒の1000分の1くらい)に比べると圧倒的な違いです。
昔から知られていた?
コペルニクスが地動説を唱えてから、少しずつ地球が自転していることが信じられていきました。
その時点で、すでに地球の自転は24時間(1日)ではないことは周知の事実でした。
地球が自転していることは知らなくても、自転周期と1日がずれていることで起きる現象は古代から知られていたからです。
地球の公転を考慮しないといけない
もったいぶって話してきましたが、答えは単純です。
地球の1回転と1日(24時間)がずれているのは、
「地球は太陽のまわりを公転しているから」
です。
簡単に説明してみましょう。
公転によって太陽の方向がかわる
地球は太陽の周りを公転しながら自転しています。
ですから、地球が1回転する間にも移動してしまうのです。
そのため、太陽の方向(角度)も変わってしまします。
1回転しただけでは太陽の方を向くことはできずに、公転でずれた分余計に回転してやっと太陽の方を向くことができるのです。
※図はめちゃめちゃオーバーに書いてます。
公転による角度の変化はどれくらいか
地球は約365日で太陽を一周、つまり360°回転します。
1日あたりになおせば1°くらいです。
1日は太陽が同じ方向になる時間を基準にしています。
太陽が同じ方向になるためには、地球は1回するだけでは足りず、1°余計に回転しなければなりません。
1回転が、24時間×60分=1,440分かかるとすれば、1440÷360=4、1°回転するのに約4分かかります。
自転周期の2通りの表し方とズレ
自転の周期の表し方には、恒星時と太陽時の二通りがあります。
恒星時と太陽時とは
恒星時と太陽時を簡単に説明すると、
- 恒星時:星が一周するようにみえる時間
- 太陽時:太陽が一周するようにみえる時間
です。
地球の自転周期といえば、普通は1回転する時間のことを差すので、恒星時に一致します。
それに対して、24時間というように時刻は太陽時で決まります。
この違いが約4分なのです。
古代からの知識
恒星時と太陽時が違うことは、古代から知られていました。
太陽の位置(方向)と恒星の位置(方向)が1日に1°ずつずれて、1年かけて1周する、そのこと自体は当然のように知られていたのです。
恒星の位置というより、恒星が形作る星座の方向と、太陽の方向が1年かけて1周すると言った方がなじみがあるかもしれません。
12星座ですね。
12星座の起源は約2000年前のギリシャ時代です。
ただ、それは太陽の方向にある星座を12個選んだ時代に過ぎません。
太陽の方向と星座の方向が変わること自体は、記録もないはるか昔から知られていました。
1日に1°のずれは計測できなくても、1年かけてひと回りすることは計測器がなくてもわかることですから。
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